面白いものやってた>挨拶

DN書こうとしたらサービスのリニューアルのためのアンケートを行っているみたいですね。面白そうなので思ったことをちょっと書いて送信してみました。
いつもお世話になっているので、少しでもお役に立てれば幸いです。


さて、先日ゲートウォッチのカードが全部出たとき、「個人的に面白いと思うカード」が出ていた、と書きました。今回はそれに関するお話です。

大方の予想通り、このカードが出たことでオレのことが浮かんだ方は結構多かったらしく、翌日以降の大会でも聞かれましたw
この時点でほぼ察しはついているかと思われます。では紹介と参りましょう。




《残された廃墟》 (1)(緑)
ソーサリー
欠色(このカードは無色である。)

あなたのライブラリーから基本土地カードを1枚探し、それを公開する。あなたが《荒地/Wastes》という名前の土地をコントロールしているなら、あなたはそのカードをタップ状態で戦場に出してもよい。そうでないなら、そのカードをあなたの手札に加える。その後、あなたのライブラリーを切り直す。



はい。
「荒地ランパン」こと《残された廃墟》のことです。

以前《不屈の自然/Rampant Growth》(=ランパン)がスタン落ちしてから色々なマナブースト呪文が刷られましたが、どれも本家に比べると致命的な欠点があると言わざるをえないカードのように思えました。
何よりもマジックのカードパワーでいくと、特にクリーチャーは「2マナ域と3マナ域のカード」のパワー差と「3マナ域と4マナ域のカード」のパワー差(マナコスト部分は除く)の部分が相当に大きい、という印象があります。そのため「2マナ出せるターンの次のターンに4マナが出せる」ということはかなり大きな要素でした。
同じように「4マナ域と5マナ域のカード」のパワー差も結構ありましたが、ここから先は「重いカード」の部類に入ってしまうために使いやすさにやや難が出始めてきて、そのうち「そこまで重いカードを使わなくてもいい」と思われるようになってきます。そういう意味でも「そこそこのコストでパワーが高め」である4マナ域のカードは、使いやすさとパワーの両方をいいバランスで備えているカードが多い印象があります(あくまで個人の感想です)。

そのような考え方の観点からすると、「2マナ域から4マナ域へのジャンプアップ」は「早い段階で強めのカードに到達できる」という意味で重宝したのですが、もう1マナ重い「3マナ域から5マナ域へのジャンプアップ」については、「3マナあるならブーストよりも他のことをしたい」と思う場面が多く、あまり重要視していませんでした。特に単体除去呪文については2マナから3マナ域に多いこと(現在は特に3マナ)と、マナブースト呪文はそのデッキの初動になることが試合の中で多いために「3ターン目まで待てない」という部分もあります。

そういう意味では、久しぶりに「2マナでのマナブースト呪文」が出た、と思っています。

これもまたあくまで個人的な意見ですが、マナブースト呪文としては「土地を持ってくるもの」は「マナを出す物体(アーティファクトなど)を出すこと」や「マナを生成するクリーチャーを出すこと」よりもブーストとしての質は上と考えています。その理由は、特にマナクリの場合は「除去されたら1マナ減ってしまう」ために「1マナ分としてカウントするとプランが突然崩壊する」ことが多いからです。マナファクトは比べれば割られる危険性は低いですが、土地破壊が少ない現在は「土地が増える」ことが一番安定していると考えます。またライブラリーから探してくる場合は疑似的に「持ってきた土地の枚数分だけカードを引いた」形にもなり、デッキ圧縮によって本来引きたいスペルを引く確率が上がることも見逃せません。
とは言いつつも「2マナで土地をサーチして戦場に出す呪文」が最近あまり出なかったのは、単純に言えば「それ自体が強すぎる」と認識された部分もあると思ってます。テーロス時代に優秀なブースト要員だった《森の女人像》が存在したことなどの絡みもあるので厳密には違うとも言えそうですが、こういう考え方もあるということで。


さて、そこでこの《残された廃墟》です。

欠色呪文というのは《瞬間凍結》などの色参照呪文による妨害を受けないというメリットはありますが、それほど大きなものではないと思うのでこれ以上のコメントはないです。

呪文の効果としては、「うまくいけばランパン」という意味では実にいいブースト呪文です。ただ問題はその条件が意外と厳しい、というところです。

条件として「荒地」をコントロールしていること、が挙げられますが、もしこれがなかったら基本土地を1枚手札に加えるだけの呪文なので、好きな土地を持ってこれる《森の占術》に明らかに劣ります。また可能なら最初の1枚は「2マナから4マナへのジャンプアップ」に使いたいということからも、「2ターン目までに荒地をコントロールしつつ撃てる」状態にしておかないと、本家ランパンに追加効果がついている3マナ以上のマナブースト呪文にも勝てません。一応試合後半に2マナで撃てることは3マナ以上の呪文に比べてメリットがあるとは言えますが、できれば「序盤には引きたいけど終盤に引きたくないカード」の類なので、そこも何か違う話です。

なのでこの呪文を強く使うためには、「2ターン目に荒地と緑マナを生成する土地があること」になるわけですが、この時点で実質マナコストはほぼ(無)(緑)の2色呪文(しかも(無)は荒地限定)と考えるべきだと思われます。
こう考えるとなかなかに色拘束も厳しいですが、何よりも「荒地を用意すること」が一番の難題になります。現在2ターン目までに荒地を用意する方法はかなり少なく、実用的なのは「初手に荒地または《進化する未開地》を握っていること」であると考えます。(運次第という意味では《肥沃な茂み》で上5枚を見てそのうち1枚が荒地であることに賭けることもできますが、実用的かというと疑問です。)
デッキが60枚とすると、確率を単純計算すると荒地と未開地は合計8枚は欲しいところだと考えます(違ったらツッコミ入れて下さると助かります)。
つまり、この時点で「最低でも荒地は4枚は必要である」こと、また未開地が入ってるメリットを生かすなら「使う色の基本土地は1枚以上は入れておくこと」が挙げられます。こう考えると、実はこの呪文を有効利用しようとすると、あまり色数を増やすことは得策ではないことがわかります。

もともとランパンが使われていたときは「マナ数を増やす」ことに加えて「デッキで使いたい色の土地を持ってくる」ことができるのがかなり大きかったです。このカードのおかげで結構な多色化も期待できたのですが、今回は土地構成への縛りが大きいことから、多色化を期待して入れるとこのカードが期待通りの働きをしてくれないということになります。

また、「1ターン目に緑マナの出る土地を用意して2ターン目に荒地を出す」パターンならまだ1ターン目の土地は多色土地を用意できますが、逆の「1ターン目に荒地を出す」パターンだと、2ターン目に緑マナを確保するためには多色土地ではなく森を置くことが必要になります。そのためにここで《残された廃墟》をプレイしたとして、持ってこれる基本土地は1枚なため、この時点で色マナは最大2色分しか用意できません。この次のターンにはバトルランドを置けますが4マナ域の呪文としてプレイできるのは最大3色ということで、デッキを組むにしてもこのあたりが限界になるのではないか、と考えます。

現在はまだ計算まではしていませんが、多色デッキになってくると入っているスペルの色マナを一定数確保しないと「手札に来たけど唱えられない」状態になるわけで、それを緩和するのに多色土地およびフェッチランドは実にいい働きをしてくれます。ただ《残された廃墟》を使うと、荒地に加えて基本土地を一定数デッキに入れることになり、それだけ色マナの確保も難しくなります。

そういう意味では、無色呪文を多く使うデッキやマナブーストが大量に入りつつ無色呪文にアクセスするエルドラージランプなど、使われるデッキは限られてきそうです。エルドラージランプにしても、可能ならば中盤以降に引いたら実質タップインになる《進化する未開地》があまり多くは入れたくないカードですし、デッキを組むうえでかなり難しいことになりそうです。

というわけで、「条件を満たせばランパンと同じ効果を発揮するカード」でありながら、「ランパンが使われてた頃に求められていた役割を果たすことが難しくなったカード」でもあって、この《残された廃墟》、実に面白いバランスになっていると思いました。
はっきり言って「使いやすいカード」ではないと思います。ただ「うまく使えたら実に気持ちのいいカード」であるとも思います。中盤以降は使わなくてよくなった場合、他の呪文で捨てたりして有効活用するのも選択肢としていいのではないでしょうか。
この呪文を「うまく使えるデッキ」、ぜひ見てみたいです。



長々と書いてはみましたが、結構中身がなかったですw 申し訳ありません。
うまく使えそうな方法を思いついたらデッキに入れてみたいと思います。



では今回はこのへんで。

コメント

丹依悠。
丹依悠。
2016年1月14日2:34

そのうち、Land ― Forest Wastes とかいう特殊土地が出そうで怖い…

関東の遅刻魔
2016年1月14日8:41

そのときはエムラクールが帰ってきてるやつですね。

nophoto
通りすがり
2016年1月15日0:08

Wastesは土地タイプではないのでその土地が出る可能性は(今のところは)低いかと・・・
まぁ、公式側がエラッタ云々でどうこうする可能性もありますが

2マナで追加の土地を置く呪文としてスタンダード内で見ても残された廃墟より
(色さえ合うならば)アタルカの命令の方が使いやすそうに見えるのが悩むところですね

丹依悠。
丹依悠。
2016年1月15日3:37

じゃあ、「この(土地カード名)は本来のタイプに加えて、荒地/Wastesでもある。」とか。

アカン、やめとこ…
(当初、欠色マナ・コストは、欠色マナでないと支払えない事を理解してなかったアホです)

関東の遅刻魔
2016年1月15日9:41

そういえば参照しているのは「途中タイプ」ではなく「カード名」ですね。見落としてました。ご指摘ありがとうございます。
なんとなく無色マナ呪文と荒地はこのセット限りな気はするんですが、製作者サイドが気に入ったらまた出てきそうな気もしました。

アタルカの命令はティムールで使ってみましたけど、「手札の枚数を気にしないタイプのデッキ」ならマナブーストとしては優秀に思えました。2枚目以降は攻めるモードに使えるので腐らないのは偉かったです。
エルドラージランプの場合も≪ニッサの巡礼≫で手札の土地が増やせるので面白そうだと思ってます。

関東の遅刻魔
2016年1月15日9:44

「土地タイプ」やった……失礼しました。
予測変換ェ…。

詩音@新宿勢
2016年1月15日19:02

荒地+何かの基本土地のフェッチが作られる可能性が微レ存?

関東の遅刻魔
2016年1月15日19:59

出てきたら結構強そうだけど、基本セットがなくなって独立したブロックになっちゃったから次にどこかに収録されるかどうか・・・荒地が今後普通に使われるようになったらあるかも。

丹依悠。
丹依悠。
2016年1月17日1:14

基本セットがなくなった事で、アーボーグの湿地、ギトゥの宿営地、ウルザの眼鏡、
ジェラードのときの声、のような固有名詞の入ったカードは再録できなくなりますが、
冠雪地形が、時を経て発売されたコールドスナップと同時に使用可能になった事を考えると、
欠色マナと荒地に関しても、どのブロックにブッ込んでも違和感ないと思います。

ただ、ずっと存在し続けても中だるみなので、フラッシュバックやピッチスペルのように、
数年おきに登場するというのがベターだと思います。
もしくは、いっそマジック6色制にするとか。
かつては基本セットではタブーだった敵対色のシナジーも、アポカリプスのレア土地以降、
基本セット入りしてきましたし、マジックの「基本」が時代とともに変化してますよね。

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