理由はわからない>挨拶


なんかここ最近、えらく眠いです。まだ花粉症の症状は出てないから別物の可能性は高いですけど、かなり早めに寝る日が続いています。それでもなかなか前向きな成果は出ず・・・うーん。

次の週末が明けたらいよいよ2月、つまりキャンプインの時期ですね。また新しいシーズンが始まることになります。

で、このオフの間に一つだけ書いておきたかったトピックがあったので、今回はそれについて書くことにします。


去年から今年のシーズンにかけて、セリーグの各球団ではかなりの動きがありました。
その特徴としては「チームで活躍した主力選手の退団」が相次いだことにより、勢力図がかなりわかりにくくなったことがあります。
去年優勝したヤクルトは守護神のバーネットにリリーフ陣の一角のロマンが抜け、巨人は控えや代打が多くて地味なイメージが強いものの実際はチームの屋台骨を支えていたと言っても過言ではない高橋由伸と井端が引退。阪神は守護神のオ・スンファンが賭博騒動によって退団、広島は先発投手の中でも一番の実力者と言われるエースのマエケンこと前田健太がポスティングシステムでのメジャー移籍が決定。中日はスタメンの機会は減っていたものの打棒は強力だった和田、小笠原に加えて選手としての出番は減っていたもののキャッチャーとしての実力は随一だった谷繁が引退し、主軸のルナも退団。横浜が一番ダメージは少なそうなものの6番サードでほぼ固定されていたバルディリスが抜けることになりました。

去年のセ・リーグは史上稀に見る大混戦だったわけですが、各球団ともその中から主力クラスの選手が抜け、さらに泥沼になりかねない事態が最初から用意されている状況です。
もちろんどの球団も補強に力を注いだこともあって穴を埋める形にはなってきていますが、なにしろ新入団選手の場合は能力が未知数。ここの当たり外れがそのままチームの成績に直結するパターンが考えられます。
他にも巨人、阪神、横浜の監督が入れ替わり、中日は谷繁監督が専任するものの3年目、他はヤクルトの真中監督と広島の緒方監督が2年目と、どこも経験豊富と言うのは難しい監督同士の戦いになります。本当にどう転ぶかわかりません。


で、広島についての話になります。
去年のシーズン終わってから言われているのが、「マエケンが抜けた先発の穴をどうするか」ということです。今年はチーム事情でセットアッパーに回った大瀬良が今度は先発に戻るということで、能力を考えると規定投球回数以上を投げての2ケタ勝利を期待できる投手がいる、ということは結構大きいことだと思います。来年すぐにマエケンクラスの働きができるとは言い切れないですが、少なくとも大きな穴にしないだけの能力はあると考えていいでしょう。

そうなった場合、「大瀬良が抜けたリリーフ」の方が穴になりかねません。今のところ同じくヒースも退団し、新外国人でジャクソンを獲得したことで穴埋めに走っていますが(もうひとりの外人投手ヘーゲンスは先発かリリーフかわからないので保留)、単純に見るとこれだけではまだ埋まっていないという方が正しいと考えます。この部分はむしろ去年不調だった一岡、中田、今村あたりの復調と、新人投手の岡田、横山、オスカルあたりが先発ローテとリリーフの両面でどのように陣容に食い込んでくるか、という話になってくると思います。


ただ、去年のチームを冷静に振り返った場合、「本当に穴はマエケンという投手が抜けることだったのか?」という疑問が残ります。

マエケンの去年の成績を振り返ってみます。

登板29試合、206 2/3回(リーグ2位)、15勝(リーグ1位)8敗、175奪三振(リーグ3位)、クオリティスタート(6回以上投げて3自責点以内)26試合、ハイクオリティスタート(7回以上投げて自責点2以内)24試合

これだけ見ても、セ・リーグどころか日本球界屈指の投手ということがわかります。これだけの投手が抜けることは、当然チームにとっては痛いということは間違いないです。しかも彼の場合は若手の多い投手陣のリーダーとして引っ張ってきたことにより、メンタル面その他でも柱としての存在が大きかったことも挙げられます。

ただし、これを書いている身としては、「そんな単純な話ではない」と言わせていただきます。もちろんカープにとってはいい意味で。


先ほどの数字の中に、実はかなり違和感があるものがありました。
「クオリティスタート」という概念の話になりますが、これは単純に言うと「先発投手が試合を作った」ことを示す指標になります。さらに言うと、これより上の「ハイクオリティスタート」というのは、「先発投手が"勝ち試合"を作ったと呼べるべき内容のピッチングをした」とも言えます。
それこそ去年のマエケンはこの「ハイクオリティスタート24試合」という数字だけ見ても、2013年に楽天を優勝に導いた田中将大投手が同年に残したシーズン24勝0敗という凄まじい成績と比べても大差ないほどの数字とも考えられます。

では、その違和感とは。

「先発が勝ち試合を作った」という指標であるハイクオリティスタートが24試合あるのに、実際の勝ち星は15しかない、さらに言うとクオリティスタートも充分に勝ち試合を作ったと言える指標なのに、全登板試合からハイクオリティスタートの試合数を引いた5試合よりも多くの8試合で敗戦の記録がついているということです。

もちろん、好投手同士の投手戦になり、例えば0-0の9回に1点だけ入って試合が決まった場合、先発の両投手がハイクオリティスタートしながらも勝者と敗者に分かれることはあります。しかし、マエケンの場合、いくらなんでも敗戦数が多すぎ、勝利数が少なすぎると言えます。

さらに、これを調べていて驚いたんですが、去年のマエケンが先発した試合の勝敗はなんと15勝14敗。マエケンに勝ち星がついた15試合以外はすべて敗北しているというとんでもない事態が発覚しました。
よくよく思い出してみると、去年は8月に入るまではマエケンの投げた試合は負け越していました。8月からの好投でようやく貯金を作ることになりましたが、自分で思っていた以上に負けている試合が多かったです。


この原因は何か。「先発が試合を作っているのに勝てない」ことの理由なんていったら1つしかありません。打線の得点力が足りないことです。


去年のシーズン序盤は、マエケンがいて、黒田がメジャーから帰ってきて、ジョンソンも日本に馴染んで好投し、福井も前年に引き続いて先発投手としての実力が本物であることを証明し、大瀬良は運が悪くて勝ち星はつかないものの試合はきっちり作っていて、野村も好投していたため、「先発が崩れて負ける」パターンは非常に少なかったです。なのに試合数を重ねても勝ち星が伸びない、どころか負ける。
なぜかというところには緒方監督の采配が悪くて「このような選手起用をすれば高確率で勝てるのに、リスクの高い違う選択をしてそれが案の定悪い方に出てしまって負けた」ということも多かったですが、とどのつまりは打線が必要な点数を取れなかった、ということが大きかったです。
去年のセリーグは全体的に投高打低で、よく言えばどの球団も投手が好投している、悪く言えばどの球団も点が入らないということで、カープにとっての「盤石な6本柱」がこのセリーグ環境で勝ち抜いていくためには大きなアドバンテージにはならなかった、ということが一番の問題でした。それこそ「うちの投手は好投して試合は作るけど、相手も好投するから点が入らない。どこかでミスか失投から点取られたら負ける」というパターンにもなっていました。その実、序盤の1点差負け試合が非常に多く、4月の時点では「オールスター前には球団ワースト記録を更新するのではないか」と言われたくらいです。

去年の点が取れない理由については、打線に問題があったというか、本調子で過ごせた選手が少なかったことがあります。4番として前年にホームラン王を取ったエルドレッドはキャンプ中の怪我で離脱して結局79試合の出場にとどまり、前年に打率3割を超えてチームの主軸になった丸と菊池も打率.250を切る成績になりました。丸は踵に体重がかかったフォームを修正できずに自分のポイントで打てなくなっていて、菊池は両膝の後十字靭帯損傷という大怪我を抱えていたため、自分のバッティングを最後までできない形になりました。
明るい話題としては前年の終盤からレギュラーになりかけていた田中がショートで不動の選手になり、代打要員くらいの期待だった復帰組の新井が4番でスタメンを任せ続けられるくらいの好成績を残したことですが、それでもまだ主力3人の穴を埋めるには至りませんでした。松山の離脱やシアーホルツが好調時のあとの離脱から不調になったこともありましたが、多くは書ききれないのでやめておきます。

結局のところ、「まともに点が取れていればチームはもっと勝てた」というところが、去年の総括になります。チーム打率、得点は最終的には悪い数字ではありませんでしたが、見ている側としては「あと1点が欲しい場面では点が取れないが、試合が決まった後のダメ押し点が多かったり、崩れた投手を攻め続けているときに大量点を取る」など、「勝敗に直結しにくい得点」が非常に多かった印象です。それこそこの得点が「1点を争って負けた試合」でも満遍なく取れていたら、シーズン優勝すらも普通に考えられたと今でも考えています。


つまり、チームが勝っていくために必要なのは、「大事な場面での得点力を上げること」である、と言いたいです。
もちろん投手の陣容を考えたら、マエケンの穴は相当大きいものです。しかし、勝ち星と得点の関係だけを見れば、去年の数字からマエケン分を引いても、「まともに得点していれば」ほぼ同じくらいの勝ち星を計算することが可能、ということです。この部分についてはデータを調べていないので数字は出せませんが、ほぼそのような数字になるはずです。


まだキャンプも始まってないうちからあまり大きなことを言うべきではないですが、去年の陣容のうち、サードとライトはレギュラーと呼べる選手が固まっていませんでした。ライトは今年もまだ激戦区ですが、サードについては日本で実績のあるルナを獲得することができました。単純にサードにルナを置くことができるならそれだけでチームの得点力はアップしますし、仮にサードが他の選手になった場合、離脱などを除けば「ルナ以上に打てている」という判断になります(正確にはルナがファーストに回った場合に、本来ファーストに就くと考えられた新井やエルドレッドを上回る、という話になりそうですが)。それだけでもチームとしては非常に大きな戦力アップになっています。

今年は得点力向上の兆しがあるということで、この「穴」を埋めることは可能であると現時点では考えています。逆にこの得点の部分が向上しなければ、去年以上の成績を残すことは難しいでしょう。それだけ、チームにとっての「鍵」になる部分であると考えます。


ここから先はキャンプ、オープン戦と続いていく中でまた書くことになるでしょう。幸い今年もキャンプについては情報を多く得られそうなので、楽しみです。



では今回はこのへんで。

コメント

丹依悠。
丹依悠。
2016年1月28日7:34

野球用語:
 QSを記録しながら敗戦投手になることを「タフ・ロス」と言い、
 逆に、QSを記録せずに(先発が)勝利投手になることを「チープ・ウィン」と言います。

単純にマエケンだけでなく、黒田、ジョンソンにも同じことが言えます。
QS以前にあの防御率に対して黒星が多いこと。
そして、秋季キャンプの出来では、飯田(ともう1人誰か)の2人でならマエケンの穴埋めができる、
という記事を読みました。飯田、結構良いっぽそうです。
ちなみに、マエケンの穴と言うのは、単純に「貯金7」という意味のようです。

昨シーズンは、中盤から後半にかけてヒース、大瀬良、中崎がフル回転でしたが、
そもそも広島がコケたのは、序盤ではこの3人がA級戦犯だったこと。
計6勝20敗が、ヒース退団、大瀬良の復調、中崎が開幕から信頼できる、というこの3つを前提に
皮算用ですが、この借金14は今シーズンは「借金なし」という計算から始まるので。

つまり、マエケンの作ってくれた貯金7より、この3投手の借金14がなくなるであろうことで
去年の(開幕からエルがいたとしての)得点力でも十分に勝てるチームだったということ。
マエケンの穴埋めと、セットアッパーの1番手(何か今井、今村、一岡あたりらしい)の
メドが立っていると言うことらしいので、少なくとも後ろがしっかりしていれば、
最後の先発枠(飯田?)は勝率5割をキープしてくれればOKなようです。
また、ムダなオーダーの入れ替え(去年ならグスマンが一塁で出ていた試合が、新井貴であれば
もっと得点は多かっただろうという推測の下)をなくすことが先決(つまりは采配)。
※個人的に、プライディは攻守とも活躍すると思ってますが、基本線はルナ、エル、新井貴の
 中軸が現実的だと思います。

キクマルの復調、エルの開幕出場、ルナの長打増加の見込み、これらと打撃コーチの頑張りで
(采配がポンコツでも)勝てるチームなので。
相対的に、打線のメドが立たない巨人と、ブルペン陣が微妙な阪神は、現状打開策がないまま。
ギャレットとヘイグは概ねハズレ選手と見込んでますので、ヤクルトと横浜DeNAの打線が脅威、
というぐらいだと思います。

秋季キャンプでお褒め頂いた選手たちが、春季キャンプでどうなるのか次第ですね。

関東の遅刻魔
2016年1月28日20:26

まだキャンプ入ってないからアレですけど、先発枠争いとなると当初の4人に野村を含めた5人が軸になって、他は戸田、九里、横山と先発に回すなら岡田あたりが中心になっていきそうです。飯田はたぶんリリーフかと。それでも去年は結構いいピッチングしてたので、今年は江草や久本とともにリリーフ陣にどう食い込んでくるかも楽しみです。若手も面白そうですし。
なんだかんだで去年の間にリリーフ陣の悪い部分はかなり出しきった感があるので、あれ以上に崩れることは(変な起用をしなければ)ないかなと思ってます。

今年は新戦力の中ではルナがほぼレギュラー候補という形で入ってきているので、去年の経験も踏まえて一部の選手を「見極め」のために多く出し過ぎることはないと思ってます(野間だけは恐いw)。

よくよく考えてみると、一昨年チームが好調だったときの主力だった菊池、丸、エルドレッドが全員不調になってたんですね。ここがある程度戻ってくるだけでも結構大きいことになりそうです。
新外人選手も今は誰が当たりになるかはどの球団もわかりませんけど、本当に振れ幅次第で期待されてた選手がスカだったり、評判が微妙な選手がハマったりするので、こればっかりはフタを開けてみないとですね。どの球団にもチャンスがあるのは去年のシーズンを見ても面白いことだと思いました。

今年はフォーム改造した若手野手が多いですけど、いい方向にいってくれればと思います。琢朗コーチの手腕がよくわかることになりそうです。

丹依悠。
丹依悠。
2016年1月29日7:33

先発ローテーションの顔ぶれを見てみると
 右:黒田、大瀬良、福井、野村
 左:ジョンソン
なので、必然的にあと1枠は左投手が有力となるようです。
ただ、戸田はスイングマン(中継ぎと谷間先発)での経験があり、シーズン中でも調整方法を
切り替えができる特異なタイプなので、引き続き、リリーフと見られてます。
そうなると左腕先発となれば、秋季キャンプでロングイニングの調整をした飯田の先発転向が
見込まれているとの事です(広島新聞)
右腕でも左右に影響されないほどの投手ならいいですが、それがいないので。
あと、薮田が良いらしいです。もともと剛速球投手なのですがフィジカルに問題があったので
秋季キャンプでは、入念に身体のケアをした模様。

外国人野手は、打撃は水ものですが、守備・走塁は大抵は予想通りです。
巨人・ギャレット、阪神・ヘイグ、横浜DeNA・マロックは、とりあえず拙守です。
特に、ギャレットは一塁守備が(メジャーでは)フランシスコより下手クソだったし。
一方、プライディは、本職がセンターで守備範囲が広く、メッツ時代は主に守備・代走で
100試合以上に出場しており、この二部門なら赤松>丸=プライディという感じです。
打撃は正直わかりませんけど、内野安打を打てるので率は悪くないかと。
新外国人投手の2人が、ホント水ものなので、少なくとも守備・走塁だけは間違いない
プライディも含め、野手3人、投手1人でいけるのでは?とは思ってます。
シーズン通して出場できるなら盗塁王も獲れるとは思ってます。
プラ・キク・マル・ルナ・エル…という打線なら、1~4番が俊足で、3~5番に長打を期待できます。
本当ならシーアホルツの故障明けを待っても良かったんですが…
ちなみに、彼はデトロイト・タイガーズに入団しました。やっぱり需要あるのね。

スタッフは、タクローさんよりも、去年はいなかった東出コーチが昇格してきたことで
何か変化が訪れるのか注目してます。

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