気がつけばすでに12月>挨拶

本当に一年もあっという間ですね。今日は流行語大賞も発表されましたし。
ハロウィンが終わってから世間はすぐにクリスマスに向けて準備を始めていたもので、その時点では「まだ早いよ」と言われてましたけど、気が付けばもうすぐそこまで迫ってきています。そういやグランプリ神戸っていつだったっけ?(すっとぼけ)


ここ最近は話題が少ないですが、今回はあえて少ない話題に挑んでみたいと思います。

広島ではマエケン、黒田の両投手の去就について話題になっています。マエケンはポスティングでのメジャー挑戦になるのか、黒田は現役続行か引退かという話ですが、特に黒田についてはここ数日のコメントが結構大きな話になってきています。

球団の行事で先月末から日本に戻ってきている黒田ですが、来年については「来週あたりに鈴木本部長と話し合ってから。それまでは決めない」という話でしたが、ここ数日のコメントは少し内容が動いてきているようです。
現在は「心技体のうち、一番大事なのは心の部分。去年は過去最高のモチベーションを持って日本に戻ってきたが、今度はそれを超えるだけのモチベーションにならないと来年もプレーすることは難しい。そして今はその材料を探している段階だが、なかなか思うようにいかない」ということです。なお来年もフルシーズン出場すれば恐らく日米通算200勝、それに伴う名球会入りも達成できるでしょうが、それは本人にとってはモチベーションになるものではない、とのことです。

この言葉が何を意味しているのか。単純に見ると「このままだと引退の方向に傾く」ように見えますが、この言葉の意図としては「去年以上のモチベーションを持てるような状況になるならば、まだ現役を続行する」というようにも受け取れます。真意は本人にしかわからないのでここから先は完全に推測になりますが、思ったことを書いていこうと思います。


そもそも、今年の日本復帰について「これまでで最大のモチベーションを持ってやってきた」ということが何を意味するのか。メジャーでもまだ通用するだけの技術、能力を持っていながら、メジャーからのオファーの約5分の1の年俸の広島を選んだこと。その最大のモチベーションの要因は、考えるにただ一つです。

それは「カープを優勝させること」。そうとしか考えられません。

去年は8月まで首位に立っていながらそこから失速して最終的には3位になってしまいましたが、チーム力を考えれば「もう少しで優勝できるところまできている」状態であったことは間違いありません。そんな中で黒田の復帰ということで、それこそ今年初めには「今年は間違いなく優勝する」という評価と意気込みでシーズンに臨むことになりました。

結果、シーズン最終戦で敗れて、優勝どころかまさかのBクラスとなる4位。持ちうる戦力から考えれば意外と言ってもいいような結果になりました。

上にも書きましたが、各種インタビューを見ていると、黒田は「自身の記録には大して興味がない選手」「チームの勝利に最も重きを置く選手」のように思われます。ならばそれが一番報われるのは、「チームが最も多く勝つこと」となるでしょう。


今年のオフの広島は、戦力補強については動きが鈍いです。新外国人のプライディーの獲得は決まりましたが、戦力外選手、FA選手などのそれ以外の補強については驚くほど静かです。今年は外人選手がエルドレッド、ジョンソンを除いて全員退団の見込みとなっているだけに調査は進めているはずではありますが、それにしても多くのファンは球団の動きに物足りなさを感じているでしょう。

今年は優勝のヤクルトは貯金6、4位の広島は借金2、その間4ゲーム差という、過去最も大混戦になったシーズンであったと思われます。ただ現場の選手からすると、本当にチームの力の差はたった4ゲーム程度のものだったのかというと、実は違った形に見えていたのではないでしょうか。

今年の広島は、投手陣が踏ん張っても打線が点を取れなくて負けた試合が数多くありました。また先発が好投しても、救援陣が打たれて負けた試合も多かったように思われます。シーズン中盤からは大瀬良がリリーフに回り、中崎が抑えを務めたことで安定はしてきましたが、それにしても他の投手陣の不安定さは非常に気になるものでした。「あと1点多く取れれば」「あと1点リリーフが失点を減らしていたら」勝てた試合は多くありましたが、その仮定が、143試合戦ったうえでの4ゲーム差分と考えるには非常に大きかった、という感想があったのではないかと思います。

何が言いたいかというと、「今年の戦力のままでは優勝できないから、球団は本気になって戦力の上積みに力を注いでくれ」ということを求めているのではないか、ということです。

今年は個人で好成績を残したマエケンがメジャーへのポスティングを希望しています。黒田もその気持ちには理解を示していますが、一方で広島としてはマエケンをメジャーへ送り出してしまったなら、来年の優勝は非常に難しくなります。
マエケン自身も「自分としてはメジャーに挑戦したい気持ちはあるが、移籍を容認するかどうかは球団に権利があること」は理解しています。そして今年までで優勝できなかったことも気にしています。彼の場合は「何が何でもメジャーに行く」というものより「自分の意見は伝えたが、どうするかは球団次第」というスタンスであるように思えます。彼自身も球団に対する思いも責任感も持ったうえでの発言のように見受けられます。

ある意味、このオフが広島東洋カープの最大の分岐点になるかもしれません。

恐らく球団のスタンスとして、「選手の意志を尊重する」としてマエケンをメジャーに送り出し、球団としての補強も例年とは大して変わらない形でいくとしたら、黒田は引退を決断するでしょう。凄く極端な言い方をすると「来年の広島の優勝はない」と見限られる、と取ってもいいところです。
マエケンのメジャー挑戦について、賛成派の広島ファンの意見としては「カープに残ってほしいけど、これだけ貢献してくれた彼をこれ以上引き止めるのは忍びない」というものが非常に多いです。そしてその裏には「来年もまた優勝できない」という諦めの気持ちが大半を占めています。
対して反対派の意見は「広島にずっと残ってくれ」というものは少数で、多くが「カープが優勝するために力を貸してほしい。それが叶ったら喜んで送り出す」というものです。「本来なら今年優勝しなければいけなかった」という意見が多いことからも、「来年残留してもらって優勝を果たし、そのオフに諸手を上げて見送る」ことを望んでいるファンは相当な数を占めることだと思っています。


ここで、黒田の意見についての話に戻ります。
今年1年やってきた結果、表には出してないですが、恐らく本音としては「現状のままでは黒田、マエケンが揃ってカープにいても優勝には届かない。更なる上積みが必要である」と考えているものだと推測します。そして残念ながら、その上積みは今年のオフの間の若手の成長だけでは期待値からしても足りない、と考えられているのではないかと思います。特に黒田の場合、有力選手の移籍が活発なメジャーで7年もプレーしてきたわけですから、その思いはさらに強いでしょう。

今年のオフの黒田のコメントからは、「モチベーション」という言葉は聞こえてきても、今まで一度も「優勝」という言葉を見たことがありません。恐らく意味するものは同じであるにもかかわらず。そのことからも、「現在の戦力では”優勝”という言葉を口にできる状態にない」ということを意味しているものと思われます。


では、黒田を引き止めるためには、何が必要になるのでしょうか。


まず第一条件。メジャー行きを希望するマエケンを、少なくとも今年だけは引き止めること。

もちろん選手としては背中を押す気持ちではあるでしょう。しかしカープが優勝することを考えるなら、彼が抜けたチームではなかなか現実的に難しいと考えざるを得ません。かと言って、球団が「権利だから」と主張して引き止めることを望むわけではないでしょう。黒田と同様に、マエケンに対しても「優勝するためにその存在が必要であること。そして優勝を果たすために球団が全力を注ぐこと」を誠意として見せ、納得してもらうことが必要になってきます。


このための条件、つまり第二条件が「優勝するだけの戦力を整えること」です。
今年のチームを見ていると、明らかに「打力」と「終盤の投手力」に穴があることが敗因になっています。
もちろん言い出してしまえば首脳陣の下手な采配の方が多くのウェイトを占めるわけですが、現時点では二軍監督としてチームに躍進をもたらした高監督を一軍ヘッドコーチとして迎えたこと、緒方監督が1年経験を積んで「勝つための戦いを覚えてきた」こと、他のコーチ人事と秋季キャンプを通して首脳陣はある程度改善されてきたように思えるので、ひとまず置いておきます。

この「打力」について。今年のチームでレギュラーとして来年も考えられるのは、二遊間の菊池、田中、センターの丸、レフトまたはファーストにエルドレッド、キャッチャーの石原といったところで、それ以外の選手は不確定の要素が大きいです。その中では比較的ファーストの新井は計算に入れやすいですが、それでもまだサード、ライトが埋まっていません。つまりその「穴」を埋めるだけの存在を用意できれば、戦力として「補強」と言えることになります。
キャッチャーは石原と會澤で打力、守備力、リード面などの兼ね合いで決めることになりますが、現実的に考えてそれ以上は望めないでしょう。彼らを上回るだけの戦力を今から獲得するのは難しいと考えます。

サードには堂林、梵、安部、小窪など、ライトには松山、鈴木誠也、野間など、成長に期待したい選手はいます。ただ「戦力として計算できる」とまでは言えません。そういう意味で「戦力として固定できるだけの選手」を誰かしら獲得できるなら、それは非常に大きいことになります。


続いて「終盤の投手力」。今年は9回を抑えていた中崎は来年も抑えに据えるとして、8回に登板していた大瀬良は先発に戻ることが濃厚、同じく終盤を任せていたヒースは退団となりました。今年戦力になった選手の中では一岡、今村など、復帰を期待する選手に中田廉、久本など、主力からは1枚落ちるくらいの選手では飯田、江草、九里、永川などの名前が挙げられますが、現時点では「この投手になら安心して8回を任せられる」というものが、残念ながら今年に限っては見当たりません。もちろん選手の復活、成長は期待したいですが、それだけでは強い意志を示すことには繋がりません。

なので、ここに強力な投手を1人、可能ならば2人以上、補強したいという話になります。

現時点では外人選手としてはプライディは獲得しましたが、他にもサードを守れる選手、リリーフを担える投手を最大2人獲得する方針だそうですが、今年のオフを見る限りでは実績のある戦力外選手もいます。現状の選手との比較でどちらが上かということや彼らも復活が絶対条件になりますが、前オリックスの馬原、同じく鉄平、前横浜の多村など、所属先が決まっていない選手の中でも戦力として期待できる選手はいるように思えます。現状どうなっているかはわかりませんが、もう一度探してみる手もあるものと思われます。


そして外人選手ですが、例年でいくと一定の予算内で獲得できる選手、オプションをつけて活躍した場合は翌年も更新できる選手、という条件になっているようですが、今年に限っては違う形を考えてもいいのではないかと思います。
ある意味裏技ではありますが、メジャーリーグのかなりの大物を「1年限定で」「破格の条件で」獲得する、というものです。

マエケンを今年引き止めるとなった場合、誠意という意味でも「来年のポスティングによるメジャー移籍」を確約することが望ましいと思われます。そうした場合、制度の整備についてはまだ疑問は残りますが、現状と同じと仮定したなら入札金として来オフには約20億円の臨時収入を考えることができます。それを前倒しで使って、例えば年俸5億円の選手を2人、1年限定の契約で獲得する、ということも考えていいのではないでしょうか。

今の広島の場合、翌年に確実に回収できるならば、一時的には苦しくなってもこのくらいの勝負は賭けてもいいのではないかと思います。それだけの意気込みで「来年は何がなんでも優勝する」という意気込みを見せること、そのような姿勢で臨むことができるなら、今年以上に全員が「優勝する」ことを意識し、モチベーションとして戦っていけるのではないか、と思いました。


どちらかというと現実的ではない案ではあります。正直言ってここまでやったら凄いとすら思います。それでも、たとえ1年限定であったとしても、「優勝に向かってできることは全てやる」シーズンがあってもいいのではないか、とは思います。
幸い今年も年間指定席はほぼ完売の予定だそうで、現状での収入量としては来年もかなりの高水準が見込まれます。「今ならば」「今だからこそ」賭けられる勝負というものもあるのではないでしょうか。


現実にはどのような形になるかはわかりません。ただし、少なくとも「今のまま」ならば来年の優勝は期待できないとエースに思われても仕方ありません。現にそのようなメッセージを送られてきているようにすら思えます。
ならば球団からも、彼に対してメッセージを送るべきではないでしょうか。2015年の最初に流行した言葉、黒田自身がもたらしてくれた「男気」を、今度は球団が黒田に返す番ではないでしょうか。
もちろん無理なことを望んでいるわけではありません。球団が傾いてしまうのは今後にとっても明らかに望ましくないことです。ただ球団を無理なく維持できる範囲内で、精一杯の返礼を見せること、それが今の広島球団が求められていることなのではないかと思います。
選手に向ければ当然ファンにも向けられる。そしてそれはさらに広がっていく。最初の行動を起こすかどうかは球団次第ですが、1ファンとして、大いに期待したいと思います。



では今回はこのへんで。

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索