2010年ドラフト会議 ~今年は当たりと言えるのか?~
2010年10月28日 野球 コメント (3)というわけで今日は冷たい雨が降る中、待ちに待ったドラフト会議の日でした。
今年は大学生の当たり年で、事前の情報からすると1位指名は恐らく早稲田の大石、ハンカチ王子こと斎藤佑樹、中央大の澤村の3人による12球団の競合、そのうちクジ引きを嫌った球団が他の候補に鞍替えする、という流れになりそうでした。いざフタを開けてみると・・・
大石:横浜、楽天、広島、オリックス、阪神、西武の6球団競合
斎藤:ヤクルト、ロッテ、日本ハム、ソフトバンクの4球団競合
澤村:巨人の一本釣り
大野:中日の一本釣り
という予想外の結果に。
確かにソフトバンクは大石で6球団以上競合しそうだから斎藤に移るって話もあったし、ハムも競合は回避か、という話も出ていたんですけど、この結果はあまりに意外でした。
中日の大野も意外でした。彼は素材としては抜群なものの肩の怪我でこの秋は投げてない投手で、その回復具合も含めて多くの球団が検討してたんですけど。ここで行くあたりがさすが落合さん。コメントも「うちの球団は今は投手が足りてるから、無理に即戦力を取る必要がない。焦らずゆっくり治せばいい」というあたり、最高の指名になったように思えました。
そして、巨人の澤村。1ヶ月前くらいから読売傘下のスポーツ報知で「巨人以外なら入団拒否」だの「ヤンキースも調査開始、巨人以外なら大リーグも」だの報道されまくってましたけど、まさかの他球団全降りとは思ってませんでした。事前だとハムとか中日が行くかという感じではあったんですが。
しかし去年の長野といい、事前にゴネての巨人入りとなると見ていていい気分にはなれないものです。全球団で平等化するためにドラフト制度にしたのに、1球団だけ逆指名のときと同じかと。裏金問題のときと中身は変わってないようにすら思えます。
選手本人がどうなのかはともかく、これでまた野球ファンに嫌われる選手を作ったかと思うと・・・事前に変な報道しないで普通に抽選して巨人に入るんだったら別に嫌われることはなかったと思うんです。大人の汚さが見えるから嫌になるわけで・・・こういうところもあって野球人気の低迷に繋がってるようにも思えます。極論に近いですが。
来年は今年の候補であっても1位で指名されるくらいの実力があると言われている東海大の菅野投手が、原さんの甥っ子ということで他球団は手が出せないとかいう話も出てますけど、せっかくだから来シーズンに巨人が大惨敗して原さんが責任取って退団するくらいにして、他球団が獲得する、くらいのことをやったほうが面白くなりそうな気はします。
さて、気を取り直して。
大石は西武の渡辺監督が去年の菊池雄星に続いてクジを当てました。去年は一番に引いて、今年は最後に残ったクジを当てるとは・・・ナベQ恐るべし。今年はいろいろ大変な年でしたけど、監督続けてよかったと思えたんじゃないでしょうか。
オリックスの岡田監督が3連続でクジを外すとか、いろいろハプニングはありましたけど、いい選手が残りつつもドラフト続行。
広島の外れ1位には、事前にSランクで挙げてた5投手の残り1人(4人は上の4投手)の早稲田の福井投手を指名。ヤクルトやロッテも外れ1位に挙げていたので競合するかと思いきや、まさかの単独指名でした。
ちなみに彼は高校2年のとき、済美高校のエースとして甲子園で優勝してます。高校卒業時に巨人にドラフト4位指名されて入団拒否し、1年浪人して早稲田に入った投手で、現在は最速152キロまで出るストレートとスライダーを武器に斎藤と先発2本柱を担っています。
5年前は彼のお父さんが「評価が低すぎる」ということと本人が「自信がない」ということで巨人に入らなかったですが、今年はそっち方面でも大丈夫のようでw
実は本人よりお父さんの方がハードルだったという説があったのですが、今回は普通に喜んでるみたいでよかったですw
広島の2位の時点ではいい選手がまだまだ残ってそうと思えたんですが、横浜に加賀美、楽天に美馬と、速球派のいい投手を立て続けに獲られてカープファンとしてはちょっとびっくり。それでもまだ候補はいろいろいるものの、ここで指名したのは富士大の中村恭平。「即戦力が欲しい」と事前にコメントしてたのにここで超素材型の速球左投手を獲るか、といった感じでした。
後から知ったんですけど中村投手は2位以内に指名されなければトヨタ自動車に就職とのことで、獲るならこの順位しかなかったとのことでした。これはどうなることか・・・
その後3位の大阪ガスの岩見は「ここまで残ってたか」という意外さがありました。ここで獲れたのはナイス。変則左腕ですけど、動画を見る限り即戦力として期待できそうでした。ストレートは最速146キロで常時140キロ前後ですが、本人曰く「スピードガンは気にしない」とのことで、なかなか実戦派みたいです。
そして4位。この時点でなかなか候補に挙げてた選手が獲られてなくて、天理大の小山、南陽高の岩本、菰野高の関、つくば秀英高の塚原、九州産業大の榎下などの選手が残っていたのですが、ここで指名したのは東海理化の金丸投手。左の速球派の投手です。
今年はここまで速球派の投手を獲るという方針でいたのですが、いくらなんでも素材型の選手に偏りすぎじゃないかというくらいの指名です。しかも金丸投手は(少なくともファンの間では)ドラフト候補として名前を挙げる人はかなり少なかった、いわゆる「隠し球」と言っていい選手でした。
結果5位の指名が回ってくるまでに、上に挙げた選手は全部獲られてしまい、戦略的にはかなりミスになった気がします。正直小山か岩本は獲ってもらいたかった。
ただ後で動画見たんですけど、金丸投手、なかなかいい球投げてました。大学生のときもドラフト候補に挙がりかけてたものの、肩を痛めて涙を呑み、苦労を重ねたということもあってか人間的にもかなり好感が持てる選手のように見えました。もしかしたらどこかの球団が狙ってたのかもしれませんが、後から見れば「指名できてよかった」と思える選手かもしれません。
他の候補を獲れなかったのが作戦ミスかもしれないし、逆に彼を獲られなかったのが成功なのかもしれないし。できることなら「大成功」と言わせてもらえるくらい活躍してもらいたいものです。
その後は5位に中京大中京で去年堂林とバッテリーを組んでたキャッチャー磯村、6位には西武の中崎雄太投手の弟で長身右腕の中崎翔太、独立リーグの弦本と指名して終了。球の速い投手を本当に最後まで指名してきました。
さらに続いて育成ドラフトでは明豊高校の山野、中京学院大の池ノ内と2投手を獲って終了。山野が残ってたのはドラフト終了時点では意外だったんですけど、いきなり獲れたのはけっこうナイスだったように思えます。
この2人も球の速い投手。本当に一貫してます。
さて、今年は投手8人、捕手1人の9人の指名でした。
去年は今村、堂林、武内と最高クラスに大当たり、さらに下位でも庄司、伊東、川口と「予想してなかったけど予想を上回るいい指名」だったんですけど、今年はどう評価したものか・・・。
全体で見ればいい選手はけっこう獲れたと思うんですけど、2位、4位あたりで他に評価の高かった選手が獲れたようにも思えるだけに、成功と言えるのかどうかは微妙なところです。2位では七十七銀行の小林敦、ホンダの武藤、4位ではさっき挙げた小山や岩本が獲れただけに、戦略的にここがどうだろうという思いはあります。
ただせっかくなので、指名された中村、金丸投手に期待することにします。
そういえば今年も評価は高いものの指名されなかった選手がいました。亜細亜大の中村駿介投手、成田高の中川投手など。彼らは次の解禁時にどれだけ成長しているでしょうか。楽しみです。
よく言われることですが、ドラフトは指名したときに成功か失敗かがわかるのではなくて、その選手が活躍できたかどうかで成功か失敗かがわかるもの、つまり語れるのは数年後、ということです。そのうち「この年はいい指名ができた」と言えるような年になることを祈っています。
では今回はこのへんで。
今年は大学生の当たり年で、事前の情報からすると1位指名は恐らく早稲田の大石、ハンカチ王子こと斎藤佑樹、中央大の澤村の3人による12球団の競合、そのうちクジ引きを嫌った球団が他の候補に鞍替えする、という流れになりそうでした。いざフタを開けてみると・・・
大石:横浜、楽天、広島、オリックス、阪神、西武の6球団競合
斎藤:ヤクルト、ロッテ、日本ハム、ソフトバンクの4球団競合
澤村:巨人の一本釣り
大野:中日の一本釣り
という予想外の結果に。
確かにソフトバンクは大石で6球団以上競合しそうだから斎藤に移るって話もあったし、ハムも競合は回避か、という話も出ていたんですけど、この結果はあまりに意外でした。
中日の大野も意外でした。彼は素材としては抜群なものの肩の怪我でこの秋は投げてない投手で、その回復具合も含めて多くの球団が検討してたんですけど。ここで行くあたりがさすが落合さん。コメントも「うちの球団は今は投手が足りてるから、無理に即戦力を取る必要がない。焦らずゆっくり治せばいい」というあたり、最高の指名になったように思えました。
そして、巨人の澤村。1ヶ月前くらいから読売傘下のスポーツ報知で「巨人以外なら入団拒否」だの「ヤンキースも調査開始、巨人以外なら大リーグも」だの報道されまくってましたけど、まさかの他球団全降りとは思ってませんでした。事前だとハムとか中日が行くかという感じではあったんですが。
しかし去年の長野といい、事前にゴネての巨人入りとなると見ていていい気分にはなれないものです。全球団で平等化するためにドラフト制度にしたのに、1球団だけ逆指名のときと同じかと。裏金問題のときと中身は変わってないようにすら思えます。
選手本人がどうなのかはともかく、これでまた野球ファンに嫌われる選手を作ったかと思うと・・・事前に変な報道しないで普通に抽選して巨人に入るんだったら別に嫌われることはなかったと思うんです。大人の汚さが見えるから嫌になるわけで・・・こういうところもあって野球人気の低迷に繋がってるようにも思えます。極論に近いですが。
来年は今年の候補であっても1位で指名されるくらいの実力があると言われている東海大の菅野投手が、原さんの甥っ子ということで他球団は手が出せないとかいう話も出てますけど、せっかくだから来シーズンに巨人が大惨敗して原さんが責任取って退団するくらいにして、他球団が獲得する、くらいのことをやったほうが面白くなりそうな気はします。
さて、気を取り直して。
大石は西武の渡辺監督が去年の菊池雄星に続いてクジを当てました。去年は一番に引いて、今年は最後に残ったクジを当てるとは・・・ナベQ恐るべし。今年はいろいろ大変な年でしたけど、監督続けてよかったと思えたんじゃないでしょうか。
オリックスの岡田監督が3連続でクジを外すとか、いろいろハプニングはありましたけど、いい選手が残りつつもドラフト続行。
広島の外れ1位には、事前にSランクで挙げてた5投手の残り1人(4人は上の4投手)の早稲田の福井投手を指名。ヤクルトやロッテも外れ1位に挙げていたので競合するかと思いきや、まさかの単独指名でした。
ちなみに彼は高校2年のとき、済美高校のエースとして甲子園で優勝してます。高校卒業時に巨人にドラフト4位指名されて入団拒否し、1年浪人して早稲田に入った投手で、現在は最速152キロまで出るストレートとスライダーを武器に斎藤と先発2本柱を担っています。
5年前は彼のお父さんが「評価が低すぎる」ということと本人が「自信がない」ということで巨人に入らなかったですが、今年はそっち方面でも大丈夫のようでw
実は本人よりお父さんの方がハードルだったという説があったのですが、今回は普通に喜んでるみたいでよかったですw
広島の2位の時点ではいい選手がまだまだ残ってそうと思えたんですが、横浜に加賀美、楽天に美馬と、速球派のいい投手を立て続けに獲られてカープファンとしてはちょっとびっくり。それでもまだ候補はいろいろいるものの、ここで指名したのは富士大の中村恭平。「即戦力が欲しい」と事前にコメントしてたのにここで超素材型の速球左投手を獲るか、といった感じでした。
後から知ったんですけど中村投手は2位以内に指名されなければトヨタ自動車に就職とのことで、獲るならこの順位しかなかったとのことでした。これはどうなることか・・・
その後3位の大阪ガスの岩見は「ここまで残ってたか」という意外さがありました。ここで獲れたのはナイス。変則左腕ですけど、動画を見る限り即戦力として期待できそうでした。ストレートは最速146キロで常時140キロ前後ですが、本人曰く「スピードガンは気にしない」とのことで、なかなか実戦派みたいです。
そして4位。この時点でなかなか候補に挙げてた選手が獲られてなくて、天理大の小山、南陽高の岩本、菰野高の関、つくば秀英高の塚原、九州産業大の榎下などの選手が残っていたのですが、ここで指名したのは東海理化の金丸投手。左の速球派の投手です。
今年はここまで速球派の投手を獲るという方針でいたのですが、いくらなんでも素材型の選手に偏りすぎじゃないかというくらいの指名です。しかも金丸投手は(少なくともファンの間では)ドラフト候補として名前を挙げる人はかなり少なかった、いわゆる「隠し球」と言っていい選手でした。
結果5位の指名が回ってくるまでに、上に挙げた選手は全部獲られてしまい、戦略的にはかなりミスになった気がします。正直小山か岩本は獲ってもらいたかった。
ただ後で動画見たんですけど、金丸投手、なかなかいい球投げてました。大学生のときもドラフト候補に挙がりかけてたものの、肩を痛めて涙を呑み、苦労を重ねたということもあってか人間的にもかなり好感が持てる選手のように見えました。もしかしたらどこかの球団が狙ってたのかもしれませんが、後から見れば「指名できてよかった」と思える選手かもしれません。
他の候補を獲れなかったのが作戦ミスかもしれないし、逆に彼を獲られなかったのが成功なのかもしれないし。できることなら「大成功」と言わせてもらえるくらい活躍してもらいたいものです。
その後は5位に中京大中京で去年堂林とバッテリーを組んでたキャッチャー磯村、6位には西武の中崎雄太投手の弟で長身右腕の中崎翔太、独立リーグの弦本と指名して終了。球の速い投手を本当に最後まで指名してきました。
さらに続いて育成ドラフトでは明豊高校の山野、中京学院大の池ノ内と2投手を獲って終了。山野が残ってたのはドラフト終了時点では意外だったんですけど、いきなり獲れたのはけっこうナイスだったように思えます。
この2人も球の速い投手。本当に一貫してます。
さて、今年は投手8人、捕手1人の9人の指名でした。
去年は今村、堂林、武内と最高クラスに大当たり、さらに下位でも庄司、伊東、川口と「予想してなかったけど予想を上回るいい指名」だったんですけど、今年はどう評価したものか・・・。
全体で見ればいい選手はけっこう獲れたと思うんですけど、2位、4位あたりで他に評価の高かった選手が獲れたようにも思えるだけに、成功と言えるのかどうかは微妙なところです。2位では七十七銀行の小林敦、ホンダの武藤、4位ではさっき挙げた小山や岩本が獲れただけに、戦略的にここがどうだろうという思いはあります。
ただせっかくなので、指名された中村、金丸投手に期待することにします。
そういえば今年も評価は高いものの指名されなかった選手がいました。亜細亜大の中村駿介投手、成田高の中川投手など。彼らは次の解禁時にどれだけ成長しているでしょうか。楽しみです。
よく言われることですが、ドラフトは指名したときに成功か失敗かがわかるのではなくて、その選手が活躍できたかどうかで成功か失敗かがわかるもの、つまり語れるのは数年後、ということです。そのうち「この年はいい指名ができた」と言えるような年になることを祈っています。
では今回はこのへんで。